さて、今回の主題は『Pay What You Want.』。別の言い方では『Pay What You Can.』とか『Pay What You Wish.』というのもあります。どれもだいたい同じ意味です。略して "PWYW" とか "PWYC" などと表現することもあるようです。要するに「あなたのお気持ちの分だけ払ってね」という意味ですね。
まぁこの世の中 “ただ(お金のかからない)” のものっていうのは、ほぼ存在しないわけですが、その「もの」や「サービス」を享受したお客さんの満足度みたいなものがまったく反映されない ”定価” というものも、なんとなくおかしい気がします。そういうものを大量販売した場合に出てくる平均値のようなものが、いわゆる資本主義経済における “定価” という概念になるわけですが、当園のように『極めて小規模、限られたお客様に、限られたサービスを』というビジネスモデルでは、そのような統計的に設定される ”定価” は、ほとんど意味がない、蓋然性がないのです。
しかしそうはいっても、私たちはすでに ”定価” のある世界というものに慣れ親しんでしまっていますね。 逆に、”定価” がないことに不安を感じたり、信頼性を疑ったりすることもあるかもしれません。でも本当は順序が逆なんですね。お客様の満足度が料金に反映されることがまず先にあって、それでは面倒だとか、平等性を欠く、などといったマクロな合理性が後になって要求され、それに応える形で ”定価” というものが決まってくるのです。
もちろん地主としては、何もしなくても支払わなければならない固定資産税などもありますので、その額くらいは、ご利用者の皆さんで少しずつご負担願いたい、という気持ちはあります。でもそのようなことも『Pay What You Want.』の精神においては、いずれは土地の評価額などに反映される、と考えられます。皆が価値がないと思えば価格は下がり、価値があると思えば価格は上がる。この庭園も、価値がなければ(=赤字が続けば)閉鎖され、価値があればサービスの質もより高くなる。単純明快です。
ここで、とても大切な前提は、次のことです。
『価値(つまり、ニーズ)が正しく価格に反映されること』
だから、当園をご利用の皆様にはぜひとも【あなたご自身のお気持ち】をお支払いいただきたいと願っています。あなたご自身は、この庭園の単なる利用者ではなく、実はこの庭園の運営に携わる、とても大切なお1人なのです。
原材料費などからある程度計算される金額を、個々の料金の目安として示しているものもありますが、それらはあくまでも「目安」です。皆様のご見識とご判断により『適正な価格』をお支払いください。
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