譲渡って何だろう、と思う。保護団体が提示する「譲渡契約」の内容は、譲渡ではなく、リース・レンタル、つまり貸与にちかいものだった。所有権は依然団体側にあり、ユーザ(飼主)や製品(犬)の使い方に問題が発覚した場合には製品(犬)を回収し、契約を破棄するとともに罰金を支払え、という。
私の方は、「譲り渡す」のだから「所有権の移動」を意味すると思っているが、契約内容はまったく異なっている。ここからも、団体による ”犬の私物化” と無責任ぶりがよく見えてくる。そこにあるのは単に自分のエゴだけである。保護団体・譲渡などといった仮面の下で、犬を私物化し、遠方から仕入れた子犬を売りさばいて飼育費を稼いでえらそうにしている。常に団体は里親の上に君臨し、分からないことがあったら遠慮なく聞けという。言うことを聞かない里親からは犬を取り上げるなどと恐喝する。一方で、その犬が問題を起こせば責任はすべて飼い主。そのうえ団体の運営費まで負担しろという。まったくの不平等契約。通常ならば、あり得ないレベルだ。まさに、怪しい宗教団体と同じ卑劣なものだ。
一般的には、その契約が「譲渡」であるならば、犬の所有権は里親へ移ると思う。以降、当該の犬に関わるすべての責任は里親にあり、逆に譲渡元である団体は、当該の犬に関する一切の責任を免れることになる。団体側はまったく責任がないのだ。だから譲渡後は、里親は自由に犬の名前を変えていいし、自治体への登録は里親自身の名前で行うのだ。
里親が付けた現在の名前をまったく無視し、平気で自分たちがつけた名前で呼びまくる。これはもう ”私物化” というレベルを通り越している。まったく呆れた傲慢無礼ぶりだ。もうなす術もない。
果たして彼らは「犬」を見ているのだろうか。生き物や目の前にいるひとつの命と正しく向き合えているのだろうか?「釣り好きの人に悪い人はいない」と同じ感覚で、動物を保護している人はみんないい人だと思っていたのだが、これは私のまったくの思い過しだった。