心も体も、大きく育てよう。
体の方は、幼少期の栄養状態がすべて。あきは本当にいろいろなものを食べて育ちました。ドッグフードは主軸ではあるけど、量的にはメインではありません。なかでも魚と野菜が大切だと思っています。とにかく10か月くらいまでは、お腹いっぱい食べさせます。本当によく食べる、いくらでも食べるので、野菜や硬い骨などでカロリーを抑えつつも、満足度を上げます。キャベツ、ブロッコリー、ニンジン、カボチャ、サツマイモ、もやし、ジャガイモ、シイタケ、白菜、ゴボウ、白飯、大豆、ナス、チンゲン菜、ホウレンソウ、小松菜、あげてはいけないもの以外、くず野菜だろうが、夕飯のおすそ分けだろうが、とにかく十分満足するまで。基本はごった煮(ただの水煮です)、時々生で。できれば煮汁と一緒に与えます。骨はラムやエゾシカを。
疲れるほどよく噛んで、おなか一杯食べたら、寝る。ひたすら寝る。そのためには、本当に安心できる落ち着いた環境が大切。つまりクレートを上手に使えることが肝。ねむたくなったら一人でクレートへ入って寝てくれます。そして運動。かなり徹底的に走ります。ゆっくりでも長距離を。骨に刺激を与えるんです。
食べて寝て走る。誰もが知っている基本中の基本。頑健な骨格と、丈夫な胃袋を作ることが健康のベースです。自然、体は大きく育ちます。体が十分に大きく育つ子は、脳もまたしかり。心も、落ち着いた自信を持った大きな子になるでしょう。
お腹の弱い子をよく見かけます。ほとんど、幼少期の食事に原因があるのではないかと思います。
「ドッグフードしか与えていない?」「書かれている規定量しか与えていない?」そんなのあり得ない! 目の前にいるのは「ひとつの命」です。他ではない「この子」なんです。そして「この子」は、同じ「1つの命」である「私」の家族なんです。命と命が 1対1 なんです。マニュアルは平均データ。参考値に過ぎない。その意味で、常に「うちの子は特別」なんです。人間の子育てとまったく同じ。
なぜ人と犬を分ける。同じ釜の飯を食い、同じ風呂に入り、同じ場所で寝る。それが家族。群れなんです。人間にとって「あたりまえのこと」は、彼らにとっても「あたりまえなこと」なんです。そしてそこでのルールを学び、家族の一員として役割を与えられて育ち、自己を確立してゆく。
別の何かにあわせようとするのではなく、ただ目の前にいる命に添う。必要なのは、本当にそれだけなんです。